「奨学金を借りて大学進学したいです。」という生徒に伝えたい。
返済のリアルな数字、イメージできていますか?
実体験をもとに、正直に話します。
こんにちは、くりはら けんです。
仮に、奨学金を500万円借りると、月々いくら返済し、何年間続くのか?
FP資格を持つ現役教員が、自分自身の360万円の返済体験をもとに、具体的な数字で解説していきます。
- 奨学金を借りて進学しようとしている高校生
- 奨学金利用を控えている保護者の方
は、是非参考にしていただけたらと思います。
私自身の奨学金返済の話
私は貸与型の第二種奨学金(有利子)を、総額360万円を借り利用しました。
貸与型と給付型の違いはこちら↓

返済は月々約17,000円ずつ。
返済期間は20年の予定です。
この条件で計算すると、20年間の返済総額は約408万円になります。
借りた360万円が、408万円になって返ってくる。
その差額の約48万円が、利子として上乗せされた金額です。
月々の返済額は1万数千円。
利用し始めたときは「そこまで大きな金額ではないかも」と思っていました。
しかし実際に返済が開始すると、この1万数千円の返済が数十年続いていくという現実に、じわじわと苦しさを感じるようになってきました。
- 毎月の引き落とし日、残高を見るたびに感じる、返済額の圧迫感
- 数年たっても変わらない残債の重さ
- 子どもが生まれてからは、将来の教育費との板挟みが続いた
また借金があると、家計管理で考えることが増えます。
「この支出は大丈夫か」「貯金はどのくらい必要か」という思考が、常に頭の片隅にある状態です。
これが、月々の返済額以上に苦しくなっていきました。
私は、ボーナスなどで貯蓄が積み上がったタイミングで残債を一括返済し、現在は返済を終えています。
一括返済という選択肢があることも、頭に入れておいてください。
「月々の返済額」で実感してみよう
借りる金額が変わると返済がどう変わるかを表にしてみます。
以下は無利子(第一種)の場合の目安です。
有利子(第二種)の場合は、利率によってこれより返済総額が増えます。
| 借入総額 | 返済期間 | 月々の返済額(目安) |
|---|---|---|
| 200万円 | 14年 | 約11,900円 |
| 300万円 | 18年 | 約13,900円 |
| 360万円 | 20年 | 約15,000円 |
| 400万円 | 20年 | 約16,700円 |
| 500万円 | 20年 | 約20,800円 |
月々の金額だけ見ると「なんとかなりそう」と感じるかもしれません。
しかし、それが14〜20年続くという感覚は、実際に返済が始まってみないとなかなかイメージできないものです。
返済が難しいときは「返還期限猶予」「減額返還」を使おう
奨学金の返済が始まっても、事情によってすぐに返済できないケースがあります。
私自身がそうでした。
私は大学卒業後、アルバイトをしながら通信制大学に通っていました。
そのため、収入が少なく、返済を始めてしまうと生活が成り立たない状況でした。
返済を始めたくてもできない。
でも返済をしないと、将来に何かしらのキズがついてしまうのではないか。
こんな不安に押しつぶされそうになっていました。
そんなときに利用したのが、「返還猶予制度」です。
返還期限猶予とは
返済猶予制度とは、事由により返済が困難な場合に、一定期間返済を猶予してもらえる制度です。
1年ごとの申請が必要で、最長10年間期限を延ばすことができます。

私はこの返還期限猶予、教員採用試験合格までの4年間ほど利用しました。
この制度を知ることができてよかったです。
正しく申請すれば、信用情報が傷つくことはありません。
「返せないのに放置する」のが最も危険です。
困ったときは制度を使って、日本学生支援機構(JASSO)に相談することが大切です。
減額返還制度とは
返還期限猶予の他にも、月々の返済金額を減額することができる「減額返還制度」があります。
減額の割合は、3分の2、2分の1、3分の1、4分の1などにすることができます。
1年ごとの申請が必要で、最長15年間減額することができます。
自身の返済計画と共に、失業や病気、災害など突発的な出来事に応じて制度を利用することができます。
ただし、延滞すると減額返還制度の利用ができなくなります。延滞する前に申請を行いましょう。
このように、経済困難や失業、病気や災害などで月々の返済が困難になった場合に「減額返還」「返還猶予」の各制度が利用できます。
この制度の存在も知っておきましょう。
猶予中に感じたこと
制度を使っていても、返済できていない自分に引け目を感じていたのは正直なところです。
また、返済開始が遅れた分、返済が終わるのも遅くなります。
つらい気持ちはあったけれど、申請手続き自体は難しくありませんでした。
所定の様式に、返済を開始できない理由と今後の見通しを記入してJASSOに提出するだけです。
「手続きが面倒そう」と感じて放置してしまうことが一番よくないので、困ったときはまず申請してみましょう。
結果として猶予した4年間分、返済期間がそのまま後ろにずれこんだ形になりました。
なお、「返還期限猶予制度」や「減額返還制度」や利用し、返還期限が延びた場合でも、利子を含む返還総額は変わることはありません。
奨学金を借りたことへの後悔はない
私にとって奨学金は、教員になるために必要な選択でした。
奨学金がなければ、教員免許を取ることができなかったし、教員として仕事をすることもできなかった。その意味で、後悔はまったくありません。
ただ、返済の重さも確かに感じてきました。
だからこそ、伝えたいことがあります。
奨学金は、目的を持って利用してほしい。
自分で覚悟を持って利用すれば、後悔することはないと思っています。
「とりあえず借りる」ではなく、「これを実現するために借りる」という意識を持つことが、長い返済期間を乗り越える力になるはずです。
まとめ:借りる前に「返済総額」を必ず確認しよう
奨学金を検討しているなら、借りる前に以下を必ず確認してください。
- 返済総額を計算する:借りる金額・期間・利率で、総額がいくらになるかシミュレーションする
- 月々の返済額をイメージする:社会に出てからの給与の中で、毎月いくら減るかを数十年単位で把握する
- 困ったときの制度を知っておく:減額返還、返還期限猶予など、使える制度をあらかじめ理解しておく
貸与型の奨学金は、人生に関わる大きな借金となります。
でも、正しく理解して使えば、自分自身にとって必要な学びを受けることができ、人生の可能性を広げる道具になります。
まずは今日、借りる予定の金額でシミュレーションしてみてください。
日本学生支援機構(JASSO)の公式サイトの、奨学金貸与・返還シミュレーションでできますよ。
↓では、奨学金の「給付型・貸与型の違いと選び方」について解説しています。
あわせて読んでみてください。

ここまで読んでくださって、ありがとうございました!
くりはら けんでした!



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