こんにちは、くりはら けんです。
2026年7月28日、熊本県熊本地方を震源とする地震が発生しました。
被災された方に、心よりお見舞い申し上げます。
一日も早い復旧・復興を願わずにはいられません。
こういうニュースを見たとき、
「自分にも何かできることはないだろうか」
そう思って、寄付を考える方は多いと思います。
その気持ちは、本当に尊いものです。
ただ、FP資格を持つ現役教員として、寄付をする前に2つだけ、立ち止まって考えてほしいことがあります。
- お金を「託す先」を、しっかり見極めること
- 金額は、あくまで自分の家計の余裕の範囲で決めること
この記事では、この2つを軸に、災害時の寄付との向き合い方を整理していきます。
災害時の寄付には、被災した方へ直接配分される「義援金」と、支援団体の活動費になる「支援金」があります。
この記事では主に、公式に受付されている義援金を中心に紹介します。
信頼できる寄付先の例
「どこに寄付すればいいのか分からない」という方のために、公的な受付先を挙げておきます。
熊本県公式義援金窓口
熊本県として公式に受け入れている義援金の窓口です。
- 受付期間:2026年7月29日〜2026年10月30日(予定)
- 口座名義:令和8年熊本地震義援金(熊本県)熊本県知事 木村 敬
- 参考:令和8年熊本地震に係る義援金の受付について(熊本県)
日本赤十字社
日本赤十字社でも義援金の受付が始まりました。
集まったお金は熊本県に設置される義援金配分委員会に全額送られ、市町村を通じて被災された方に届けられます。
そのため、届くまでには一定の時間がかかります。
- 受付期間:2026年7月31日〜2026年10月30日
- 参考:日本赤十字社熊本県支部 寄付について
ふるさと納税
ふるさと納税の制度を使って、返礼品なしで被災自治体へ寄付することができます。
- 参考:ふるさとチョイス災害支援
受付期間や振込先は今後追加・変更される可能性があります。
実際に寄付する際は、必ず各団体の公式サイトで最新情報をご確認ください。
寄付だけが支援ではない
大事なお金を寄付として託すことのほかにも、できることはあります。
そのひとつが、熊本に対しての経済活動を止めないことです。
具体的には、熊本のお店の商品を買ってみること、熊本のお店のサービスを利用してみること。
これらも立派な被災地支援のあり方ですね。
難しく考える必要はありません。
お取り寄せやオンラインショップを覗いてみる。
お中元やちょっとした贈り物を熊本の品にしてみる。
商品やサービスの提供元を確認して、熊本県のものを選んで使う。
それだけで十分な支援になります。
注意してほしいこと──災害に「便乗」する寄付先がある
正直、あまり考えたくない話ではあります。
でも、大きな災害が起きるたびに、それに便乗した怪しい募金の呼びかけが出てくるのが現実です。
たとえば、こんなケースです。
- 「私が現地に届けるので、私の口座に振り込んでください」という個人アカウントからの呼びかけ
- 団体名は立派だけれど、実態がまったく見えない寄付先
- SNSのDMやメールで、突然送られてくる募金のお願い
せっかくの大事なお金と気持ちが、被災地に1円も届かない。
そんなことになったら、あまりに悲しい。
だからこそ、寄付をする側が「公式かどうか」を必ず確認しましょう。
見極めるための3つのチェックポイント
難しいことをする必要はありません。次の3点だけ確認してください。
1.公式サイトに、受付情報が載っているか
自治体・日本赤十字社など、公的な組織の公式サイト上に受付情報があるかを確認します。
URLを見て pref.kumamoto.jp や jrc.or.jp といった公式ドメインかを確認しましょう。
2.「個人の口座」宛ではないか
個人名義の口座への振込を求められたら、いったん立ち止まってください。
公的な募金が、個人口座を指定することはまずありません。
3.偽の募金サイトや偽アカウントではないか
公式と装って寄付を募る偽サイトや偽アカウントもあります。
SNSやDMのリンクから飛ぶのではなく、自治体や日赤の公式サイトを自分で開いて口座情報などを確かめましょう。
金額は、周りに合わせなくていい
もうひとつ、どうしても伝えたいことがあります。
寄付は、強制されるものではありません。
SNSで個人が発信できる社会になって、「私は◯万円寄付しました」という投稿が、目に見えるようになりました。
もちろん、それ自体は素敵な行動です。寄付の輪が広がるきっかけにもなります。
でも、それを見て、
「周りが1万円寄付しているから、自分も1万円出さなきゃ」
そう感じてしまう必要は、まったくありません。
金額の大小は、気持ちの大小ではないからです。
100円でもいい。1円でもいい。
自分の家計に余裕のある範囲で、無理なく出す。
それが、続けられる寄付のかたちだと私は思っています。
以前、NISAをやらない選択もアリ|始める前の3つの問いという記事でも「周りの空気で始めない」という話を書きました。
寄付も同じです。「みんながやっているから」ではなく「自分がそうしたいから」で決めていいのです。
今は寄付できない、でも構わない
家計に余裕がなくて、今回は寄付できない。
そういう方もいると思います。
それでいいと、私は本気で思っています。
自分の生活が立ち行かなくなってまで寄付をするのは、本末転倒です。
まずは自分と家族の生活を守る。それは何も後ろめたいことではありません。
そして、いつか家計に余裕ができたときに、
「あのとき、何かしたいと思ったな」
と思い出して、そのときの自分にできる形で気持ちを託せばいい。
寄付は、一度きりのイベントではなく、長く付き合っていく文化なのだと思います。
【補足】義援金は寄附金控除の対象になります
FPとして、ひとつ実務的な情報も添えておきます。
自治体や日本赤十字社などを通じた義援金は、所得税の「寄附金控除」、住民税の「寄付金税額控除」の対象になります。
確定申告をすれば、所得税や住民税が軽くなります。
そのために必要なのが、振込時の受領証(振込明細書や払込票の控え)です。
振込用紙の控えを捨てずに保管しておいてください。
なお、義援金はワンストップ特例制度が使えず、確定申告が必要となります。
ただ、誤解のないように書いておくと、
控除があるから寄付をする、のではありません。
あくまで「寄付をした結果、こういう制度もある」という順番です。
目的が入れ替わらないようにしたいですね。
なお、支援金(NPO等への寄付)は団体によって控除の扱いが変わります。
詳しくは各団体の案内をご確認ください。
まとめ
災害のたびに、私は「寄付の文化」について考えます。
日本には、まだまだ寄付が根づいていないと言われます。
でも、こういうときに「何かしたい」と思える人は、本当にたくさんいます。
その気持ちこそが、文化の芽なのだと思います。
最後に、この記事で伝えたかったことをまとめます。
- 公式の寄付先や、ふるさと納税・熊本の商品を買うことで支援ができる
- 寄付先は、公式サイト・振込先が個人口座でないか・偽アカウントでないかの3点で見極める
- 金額は周りに合わせず、自分の家計の余裕の範囲で決める
- 今できなくても構わない。余裕ができたときに、自分の形で
- 義援金は寄附金控除の対象。受領証は保管を(ただし控除は目的ではない)
自分の大事なお金と、大事な気持ち。
その託す先を、どうかしっかり見極めてください。
それが、被災地にとっても、あなた自身にとっても、いちばんいいお金の使い方になるはずです。
※本記事の情報は2026年7月31日時点のものです。受付期間・振込先などは変更される場合がありますので、寄付の際は必ず各団体の公式サイトをご確認ください。



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